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日本なわとびプロジェクト

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(1)運動後の休み方

今回から、なわとびをうまくなりたい人に役立つ科学的ヒントを提供していきます。第1回は「運動後の休み方」です。

 トップアスリートたちは、トレーニングと同じくらい、「運動後の休み方」を大切にしています。休み方が悪いと疲れた状態で運動することになります。そうすると、すぐに疲れるので能力を十分に出せません。集中力が続かなくなるので、けがを起こすこともあります。疲れがたまると、かぜを引くなど病気にかかりやすくなります。運動の疲れを早く回復させないと、良いことはありません。だから、トップアスリートたちは「運動後の休み方」をおろそかにしないのです。

 トップアスリートたちが良く利用している「運動後の休み方」は「積極的休息法」です。これは、運動後に軽運動を行う休み方です。軽運動とは、ジョギングのような強度が軽い全身運動のことです。

 では「積極的休息法」は疲れを早く回復する効果があるのでしょうか。私たちは、そのことを確かめる実験を行ってみました。その結果は図のようでした。

 「たいへん疲れた」と感じるまで運動をします。その時の疲労度は100%です。「積極的休息法」では、運動後、10分間の軽めのジョギングを行います。ジョギングを終えたら40分間椅子に座って休みます。「消極的休息法」では、運動後ずっと椅子に座って休みます。

 図から分かるように、運動後にジョギングのような軽運動を行う方が疲れは早く回復することが証明できたのです。

 なわとびの練習が終わったら、10分間、軽めのジョギングを行ってください。疲れが早く回復することが分かるはずです。

 なわとびが上手になるには、正しく休むことも大切だということを忘れないようにしましょう。


湯浅景元(中京大学名誉教授)



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