体幹とは、頭と手足を除いた、いわゆる胴体の部分のことです。体幹の重さは体重のおよそ半分ほどあり、体の中で重たい部分です。だから、体幹が不安定だと姿勢も安定しません。
どんなスポーツでも、姿勢が不安定では良い動きをすることができません。動きが悪くなれば、失敗する可能性がうんと高くなります。あらゆるスポーツ種目のアスリートたちが体幹を鍛えるトレーニング(体幹トレーニング)を行うのは、最高のパフォーマンスを達成するために当然のことです。
なわとびでも同様で、体幹を安定させられることは、なわとびを上手に行うために必要です。なわとび中に体幹が揺れたりすると、着地が不安定になり、うまく跳び上がることできません。ロープの回転も乱れます。思い通りの演技ができるようにするには、体幹を安定させないといけないのです。
体幹を安定させるために働く筋肉は、腹の側と背中の側にあります。体幹の前後にある筋肉が協力しながら活動することによって、体幹を安定させることができます。今回は、背中の側(背・腰・殿部)の筋肉を鍛える代表的な筋力トレーニングを紹介します。
<背・腰・殿部の筋力トレーニング>
①両方の手の平、ひざ、つま先を床に着けて“よつんばい”になる。このとき、手は肩関節の真下、ひざは太ももの付け根の真下にあるようにする。
②右足先を床から離して、右足が床と平行になるようにして伸ばす。
③左手を床から離して、左腕が床と平行になるようにして伸ばす。
④お腹が下がらないように注意して、写真の姿勢を10~30秒間保持する。3~5回繰り返す。
⑤反対側の腕と足を床から離して、②、③、④を繰り返す。
★この例では、右足と左手から運動を始めているが、左足と右手から運動を始めてもよい。
湯浅景元(中京大学名誉教授)