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日本なわとびプロジェクト

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(17)体力の発達

1.体力と発達期

 一生の中で、私たちの体力がもっとも発達する時期があります。その時期を「発達期」といいます。
発達期は、4つの時期に分けられます。「乳児期(0~1歳)」、「幼児期(1~6歳)」、「学童期(6~12歳)」、そして「青年期(12~22歳)」です。一般に、体力は乳児期から青年期までしだいに向上すると考えられています。この考え方は、体力を1つのかたまりとしてみた場合に当てはまることです。
 体力は、筋力、持久力、柔軟性というように、いくつかの要素から成り立っています。それぞれの体力要素も、乳児期から青年期までしだいに向上するのでしょうか。このことを明らかにするには、それぞれの体力要素が年齢によってどんな変化をするかを見ればよいのです。
 ここでは、体力テストの中でも特に「なわとび」に関係する体力要素を取り上げることにしましょう。「なわとび」でたいせつな体力要素は、持久力、柔軟性、すばやさ、跳躍力です。それぞれの体力要素を測る体力テストを表1に示しました。

表1 体力テストと体力要素の関係



2.体力の発達

 男性の体力発達を図1に示しました。
 この図は、20~24歳の時の体力を100%として、各年齢の体力が20~24歳の時の体力の何パーセントであるかを示しています。
 図1から分かるように、男性の場合、柔軟性(長座体前屈)、すばやさ(反復横跳び)、跳躍力(立ち幅跳び)は、ほぼ同じ変化を示しています。6歳から20~24歳まで年齢とともに向上します。そして、15~17歳で最高になり、20~24歳まで体力は維持されています。
 ところが、持久力(20mシャトルラン)は13~14歳まで急激に向上し、14歳からは年齢とともに低下していることが分かります。



 では、女性ではどうでしょうか。
 図2を見てください。ほぼ男性と同じような変化でした。でも、体力が最高になるのは14歳ころです。体力のピークは男性より早く現れます。
 持久力(20mシャトルラン)は、13歳まで急激に向上し、その後は低下していきます。この変化は男性とよく似ています。



3.中学生になったら「持久走トレーニング」

 体力の中の「持久力」は、中学校を卒業するあたりから低下することが分かりました。中学校卒業後も「なわとび」を続けたい人は、中学生のうちからジョギングなどの持久力トレーニングを習慣にすることをすすめたいと思います。持久力が低下すると、「なわとび」をしても、すぐに息切れがして長く跳ぶことができません。「なわとび」を楽しむためにも、あるいは競技のためにも、持久力トレーニングを習慣にしましょう。
 呼吸がきつくなり過ぎないようにスピードを調整して、20~30分のジョギングを週に3~5日行うと良いでしょう。同じように、呼吸が苦しくなり過ぎないようにしながら「なわとび」を10から20分続けることも、持久力トレーニングになります。

湯浅景元(中京大学名誉教授)



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